当社初のファンド関連書籍が12月17日発売『事例で学ぶPEファンドを活用した中小企業のM&A』著者代表インタビュー

M&A全般
更新日:

⽬次

[非表示]

日本M&Aセンターは、PEファンド(プライベート・エクイティ・ファンド)とのM&A仲介の専門家集団として2014年にファンド部を起ち上げました。PEファンドとのM&Aにおいては国内随一の実績を持つファンド部が今回、当社初のファンド関連書籍『事例で学ぶPEファンドを活用した中小企業のM&A』を発売しました。著者代表としてファンド部部長の能登雄太、宮森智基、萩原駿也に読みどころを聞きしました。
(写真左から、宮森智基、能登雄太、萩原駿也)

――はじめに、本のポイントを教えてください。
宮森  ファンド関連書籍は世の中にたくさん出回っていますが、解説書のようなものばかりなんです。おかげさまで日本M&AセンターのファンドM&Aの実績はダントツです。今回の本は、その実績を活かして、しっかりと事例を載せて読みやすくしました。登場する企業のサイズも大きくないので、中小企業の経営者の皆様が自分事としてイメージしやすいと思います。
事例の紹介では、PEファンドの「純投資」「追加買収」「EXIT」を経て企業を成長させていく流れに触れ、それぞれに解説をつけています。我々が営業活動でよく聞かれる質問や、オーナー様が知りたいであろう情報をカバーし、全部読まなくても各章単位で完結しているのもおすすめのポイントです。

能登  M&Aで第三者譲渡を考えたとき、多くの方がイメージするのは事業会社ではないでしょうか。なぜ、「PEファンド」という選択肢があまり知られていないのかというと、一つはテレビなどによる「ハゲタカ」のイメージがいまだ残っているから。もう一つは、PEファンド自体がよく知られておらず、認知度が高くないことです。ただ、今PEファンドを譲渡先にする経営者は増えているんです。
PEファンドは、投資をした譲渡企業へさまざまな経営資源(人材やノウハウ、資金など)を投じて、経営をサポートしながら、企業価値を上げるのが本業です。うまく活用すれば会社を大きく成長させることができてIPOへの近道になるほか、社員や親族に社長をつがせたり、プロ経営者をPEファンドに招聘してもらったりすることも可能となります。「経営課題を解決したい」「会社を成長させたい」と考える経営者の方にぜひ手に取っていただきたいですね。

萩原  ハンズオン施策(PEファンドが、投資した企業に対してその経営を支援するためのさまざまな施策を講じること)について事例を元に実際にどのようなことを行っているかという部分を是非読んでいただきたいですね。特に本書では事業会社が買い手の場合との違いがわかるように書きましたので、PEファンドになかなかなじみがない方にこそ読んでほしいですね。「あ、PEファンドってこんなことまでサポートしてくれるんだ」と新たな発見をしていただけたら嬉しいです。

――本書の最後に付録として「PEファンドに関するよくある質問と回答」を掲載しているのもユニークです。
宮森  日々お客様と接しているとたくさんのご質問を受けるんです。そうしたさまざまな疑問や誤解になるべくお答えしています。特にいただく質問のカテゴリーは、①譲渡したら社長を辞めないといけないのか、②譲渡価格はいくらになるのか、③イグジットはどうなるのか、という3つに集約されます。つまり、PEファンドとM&Aをすると、PEファンドは何をしてくれるのか、というのが一番気になるところなんです。

――日本M&Aセンター初のファンド関連書籍です。
能登  出版の構想自体は3年ほど前からありましたが、日本M&Aセンターが30周年を迎えた今年、このタイミングで、これまでの「ファンド部」としての成果を一つの形にすることになりました。著者名を部として出版しているので、多くの方にファンド部の存在をアピールできればと思います。

――10カ月苦労して作られましたよね。
萩原  一番大変だったのは事例の選定ですね。登場する事例はすべて切り口が異なるのですが、どんな見せ方をすれば興味を持っていただけるのか部内で何度も話し合いました。
また、ライターから最初に上がってきた原稿がかっちりした内容だったので親しみやすい言い回しにアレンジするのも慣れない作業で大変でしたね。
ファンド部全員の意見をまとめるのも一苦労でしたが、忙しい中で全員が協力してくれた分、いいものが出来上がったと思います。

――読者へのメッセージをお願いします。
宮森  ひとことで言うと、誤解されがちなPEファンドの活用法をわかりやすく解説する一冊です。PEファンドをより身近な存在に感じていただけると思います。

能登  M&Aと同様に、PEファンドの活用も今後確実に広がっていきます。ぜひお手に取っていただき、PEファンドへの理解を深めていただければと思います。
また、事業承継や成長戦略に悩まれているオーナー様の中には、PEファンドの活用が視野に入っていない方もいらっしゃると思います。この本がPEファンドという選択肢を広める一助になることを願っています!

ファンド部
成長戦略事業部の中核部署として、国内のPEファンド約70社をカバレッジする唯一の専門部署。2014年に起ち上げ、ファンドへの投資事例から、投資会社のロールアップ、イグジット提案まで幅広いサポートを行う。金融機関や事業会社でトップレベルの成績を上げたメンバーで構成。

書籍のご購入はこちら

M&Aについて詳しくは専任のコンサルタントまでお尋ねください。
無料相談はこちらから

******************
PEファンドへの譲渡・売却によるパートナー戦略
******************

著者

M&A マガジン編集部

M&A マガジン編集部

日本M&Aセンター

M&Aマガジンは「M&A・事業承継に関する情報を、正しく・わかりやすく発信するメディア」です。中堅・中小企業経営者の課題に寄り添い、価値あるコンテンツをお届けしていきます。

この記事に関連するタグ

「ファンド・PEファンド」に関連するコラム

事業承継ファンドとは?仕組みや活用のメリット、事例について紹介

事業承継
事業承継ファンドとは?仕組みや活用のメリット、事例について紹介

かつて中小企業における事業承継では、社長の子供など親族に引き継ぐ親族内承継が広く行われていました。しかし近年は後継者不在問題を背景に、親族内承継から、従業員等への社内承継や、社外の第三者へ引き継ぐ第三者承継にシフトしつつあります。「社外の第三者」について、一般の事業会社をイメージされる人が多いかもしれません。実際は事業会社のほかに、ファンドもその当事者として名乗りを上げるケースが増えています。本記

逆境に負けないお菓子メーカー「フジバンビ」のチャレンジ

広報室だより
逆境に負けないお菓子メーカー「フジバンビ」のチャレンジ

九州・熊本のお土産菓子として有名な「黒糖ドーナツ棒」。百貨店やスーパーマーケットなどで開かれる九州フェアや物産展で目にした方も多くいるはずです。外はサックリ、中はしっとりな食感と優しい黒糖の甘みが特徴で、熊本市に本社を構える菓子メーカー「株式会社フジバンビ」の主力商品です。創業70年を超える老舗は2018年、PEファンド(プライベート・エクイティ・ファンド)である日本投資ファンド(J-FUN)と資

PEファンドとは?VCとの違い、仕組み、中小M&Aでの活用を紹介

M&A全般
PEファンドとは?VCとの違い、仕組み、中小M&Aでの活用を紹介

事業承継をM&Aで行う場合は、自社株を譲受企業に譲渡しなければなりません。その結果、譲受企業は親会社となり、自社は譲受企業の子会社として新たに事業を継続していくことになります。しかし自社株の売却先は譲受企業だけではありません。譲受企業以外にも、ファンドに売却することによって事業承継を成立させることもできます。この事業承継で活用できるファンドとして、PEファンド(プライベート・エクイティ・ファンド)

中堅企業M&Aマーケットで存在感を増すプライベート・エクイティ・ファンド

M&A全般
中堅企業M&Aマーケットで存在感を増すプライベート・エクイティ・ファンド

ファンドへの譲渡案件が増加M&Aの相手先としてPEファンド(プライベート・エクイティ・ファンド)(以下、ファンド)を選択する経営者が増えている。日本M&Aセンターにおいても、ファンドを買手とした案件数は成約ベース、検討ベースともに年々増加している。下記グラフをご覧いただきたい。ファンドの関与案件は、取引金額ベースでは2008年のリーマンショックをピークに減少しているが、案件数ベースではむしろ増加傾

ファンドによる事業承継の法的特色

M&A法務
ファンドによる事業承継の法的特色

プライベート・エクイティ・ファンドとその役割オーナー経営者が親族等以外の第三者への事業承継を検討する場合、取引先を始めとする事業会社に加え、ファンドも有力な選択肢となる。第三者への事業承継とは、株式譲渡あるいは事業譲渡の形式を取り、事業を有機的・一体的にに譲ることを意味する。「ファンド」と一括りに記載したが、現在では多種多様なファンドが活躍しており、ここでは事業承継時の受け皿として機能するPEファ

企業の成長戦略とプライベート・エクイティ・ファンドの活用

M&A全般
企業の成長戦略とプライベート・エクイティ・ファンドの活用

近年PEファンド(プライベート・エクイティ・ファンド)、とりわけバイアウト・ファンド(以下、ファンド)を活用した事業会社による成長戦略実行のケースが多くなってきている。日本の事業会社がファンドをどのように活用しているのか、ファンドはどのような動きを取っているのか、4つの潮流を以下、順を追って考察していく。\[1\]ファンド、事業会社間の「売り」・「買い」の絶対数の増加\[2\]国内大手企業の欧米フ

「ファンド・PEファンド」に関連するM&Aニュース

スノーピーク、MBO実施で非上場化へ

株式会社スノーピーク(7816)は、2024年2月20日開催の取締役会において、いわゆるマネジメント・バイアウト(MBO)の一環として行われる株式会社BCJ-80(以下「公開買付者」)による同社の普通株式に対する公開買付け(TOB)に関して、賛同の意見を表明するとともに、同社の株主に対して、本公開買付けへの応募を推奨することについて決議した。なお、当該取締役会決議は、本公開買付け及びその後の一連の

米カーライル、マネースクエアHDをノジマが出資するファンドに譲渡へ

カーライル(米国ワシントン)は、株式会社マネースクエアHD(東京都港区)の株式を、ノジマが主要出資者であるニューシナジー投資事業有限責任組合(以下、ニューシナジーLPS)に譲渡することに合意した。カーライルは、投資会社。テクノロジーおよび金融サービスセクターにおいて、330件以上、総額440億ドルを超える投資実績をもつ(2022年9月末時点)。マネースクエアHDは、東京を拠点とするアドバイザリー・

米投資ファンドのカーライル、おやつカンパニーをD Capitalへ譲渡

米投資ファンドのカーライル(アメリカワシントンD.C)は、保有するスナック菓子メーカーである株式会社おやつカンパニー(三重県津市)の株式を、プライベートエクイティ・ファンド運営を行うDCapital株式会社(東京都港区)に譲渡することを決定した。本件は、DCapitalが運営するDCapital1号投資事業有限責任組合が出資する特別目的会社を通じて行われる。おやつカンパニーは、1948年創業のスナ